ケース1:夫婦関係 34歳女性からのご相談
(家族構成夫36歳/10歳と4歳の子供)



夫が家私の家事や育児の出来ていないところを指摘してきます。
私としては毎日一生懸命、孤軍奮闘しているのですが中々認めてくれず非難され続けて辛いです。
注意をされないように夫が指摘してきたことは自分なりに改善し努力をしているのですが、帰宅すると片付いていない部屋や食事のことなど、一々言われてイライラした私が反論して喧嘩に発展します。
翌日になると夫はケロッとしていますが私は、また何か言われないかと緊張していますし、指摘されたことを考えると幼い子供がいるのに一方的に不満を言ってくる夫に怒りさえ感じて優しく出来ず険悪な雰囲気になります。
どのようにしたら夫と円滑なコミュニケーションが取れるでしょうか。

回答

このケースでは、ご相談者がタイプ1で夫がタイプ2だと判定しました。
奥様は完璧主義な傾向があり自分のやり方に拘りもあって、夫の指摘も想定できる範囲で改善しようと努力していらっしゃいました。
夫は本来、鷹揚で楽観的な方で、細かなことを言うタイプではありません。
むしろ、妻がひとりで何でもやろうとしたり完璧にやるあまりに自分の必要性を感じられず、もっと頼って欲しいという思いを拒絶のコミュニケーションで「ダメだし」として表現されていました。
奥様が夫の言葉を指摘と思い、攻撃されたと捉えたことに行き違いがありました。
ご相談者の奥様へのアドバイスとして、今後、夫が出来ていないことを言ってきた時には、黙って改善するのではなく「ごめんねー。子供のことをしていたら中々できなくて。お願いしていい?」と、夫を頼る言葉で返すようにお伝えしました。
そして、夫の「これくらい出来ないの?」とさらに言われても、手伝って欲しい旨を明確に伝えるように。そして何かをしてもらったときは助かったことと感謝を伝えてくださいと、助言をしました。
結果は、必要とされる必要があるタイプ2の人が自分が必要とされて「やってあげる」ことで妻が感謝をするというコミュニケーションの中で、関係が改善されました。
タイプ1の人は完全主義で、他者からの攻撃を感じやすく自分が間違っているということが根源的な恐れです。
タイプ2の人は自分は大丈夫なのでもっと自分に関心を持って頼って欲しいという欲求があります。



ケース2:親子関係 59歳男性からのご相談
(家族構成 50歳妻 22歳息子)



大学生の息子が自分の跡を継がず演劇の道を志、大げんかになりそれ以来連絡しても応答がなくなりました。
息子の将来が心配ですし、私の跡を継げば安泰だし男としても妻子を養う稼ぎが得られます。母親次第だと思うので妻には息子に、私の跡を継ぐ様に指導しろ言ったのですが、賛同してくれないどころか、私に歯向かってきます。
今まで家族の為に仕事をして事業を大きくしてきたのに、このままだと今までの苦労が報われません。
何とか息子に私の事業を継がす方法はないでしょうか。

回答

このケースでは相談者をタイプ8息子さんをタイプ6奥様をタイプ4と判定いたしました。
T8からのご相談は稀ですので相当お悩みになってらっしゃるとお察ししました。
T8の親は保護的で面倒見がよく息子さんを案じていらっしゃるのはよくわかります。
反面、支配的になりがちで子供をコントロールしようとする傾向があります。
また、奥様からのアプローチを望むのはご自身が母の影響を受けているということもあります。一方、息子さんはタイプ6で父への定位があり、父を自分を守ってくれる大きな対象だと思っていれば忠実で父の意向にも添うところですが、このケースでは幼少期にかなりお父様が高圧的に接していたということがあり、息子さんからすれば安全を脅かす敵になっていて「父の言うことだから絶対に聞かない」と反発をこえた戦う相手になっていました。
お父様は、自分の言う通りにしなければ援助を打ち切るが如くの「力づく」でのアプローチをされていましたが逆効果です。
「太陽と北風」の比喩で太陽になってくださいとお伝えしました。親子関係は歴史があり子供のタイプや、今に至る関係があるので中々紐解くのは難しいです。
このケースでは、先ずはお父様が彼を応援して支える立場に転換することが必要です。
自分が心配しているのだということをストレートに伝えて、決して力ずくではなく、見守る姿勢で肯定的に接することをお約束しました。
「男だから、強くあれ」ということも頻繁に仰っていたのもタイプ8の方の価値観ではありますがタイプ6の息子さんには通じません。
先ずはお父様の意識改善からじっくり取り組んだ事例です。
結果、1年半経った頃に、息子さんとのお話をする機会を得て、現在は息子様が当ラボに「父のことを理解したい」とお見えになりました。
相思相愛ながら、親子が故の行き違いはそれぞれの深い思いがあります。
根気強く大人になった「自分とは違う他者(子供)」理解を理解することが円滑な関係の第一歩です。
タイプ8は保護的ながら支配的になりやすく、強く大きく力をも持つ事を良しとします。
タイプ6は自分自身を信じきれず他者を頼りますが、自分を脅かす相手では信頼関係を築くことができません。



ケース3:男女関係 28歳女性からのご相談
(家族構成 父母と妹の4人家族の長女)



付き合って3年になる彼(33歳)が中々結婚しようと言ってくれません。
それとなく促してみても、結婚に前向きな態度も言葉もなく最近は親にも色々と聞かれてこの先のことが不安になってきました。
彼はどうしたら結婚に前向きになってくれるのでしょうか。

回答

このケースでは相談者をタイプ6 お付き合いされている彼をタイプ5だと判定しました。
但し、このケースではエニアタイプそのものよりも、本能のサブタイプ論を用いた方が有効だと判断しました。
タイプ6の女性はソーシャル優勢でタイプ5の彼はソーシャル盲点の組み合わせです。
この組み合わせでは、珍しくない相談内容です。
女性は家族への貢献や役割を担う意識も固く、結婚イコール家族になる。という発想を強くお持ちでした。それによっての安心や安定も求めていて長女としての責任や家族としての役割も担っていらっしゃいました。
片や、彼のほうは、結婚というよりも、他人と一緒に暮すことや自分が役割を担うことに大きな不安があり、避けたいことなので結婚に消極的になるのも理解出来ます。
不安や安心というのは同じ思考センターであるタイプ5と6は共通ですが、その不安が、皮肉にも「結婚する」ことで安心なタイプ6と不安が増す5という組み合わせです。
相談者には、先ず、結婚はシステムなので過度な意味を持たせないこと。多大な要求を突きつけられたと感じている彼と先ずは距離を置く事を提案しました。
タイプ5にとっては「尊重は愛」です。先ずは彼の意向を尊重しつつ、結婚観をすり合わせていく作業が必要です。
とはいえ、結婚する意味を見出せない彼が今後も結婚に前向きになるかどうかは難しいところです。
何故結婚しなければいけないのか。今のままでいいんじゃない。となりかねません。
少々先の期限を設けて、ここまでに考えてくださいという猶予とそれまでは何も言わずに静観することをお伝えしました。
結婚したいのと伝えるのはいいのですが、ソーシャル盲点の人に結婚という形を全面に押し出せばその契約をしたら何が課せられるのか(義務)と疑念を持っているので「自分には無理だ」と思いがちです。
結婚しても今と何も変わらない生活だということを伝える必要がありますが、それではソーシャル優勢の彼女としては納得できないかもしれません。
この行き違いは解決には難しいですが、タイプ6の方がタイプ5の人に添う形で収まることが多いです。
1年後、挙式などのセレモニーはしないで入籍をしたというご連絡を頂きました。
ソーシャル優勢の人はグループで関係を捉えがちで仲間意識も強いです。
一方、ソーシャル盲点の方は個人的で自分と自分以外の他者を線引きしがちです。